突然この世を去ることになったら、どうだろうか。
心残りがたっぷりあって、誰かに会いたいと思うだろうか。
この作品は、死者とこの世の生者とをつなぐ、その名も「ツナグ」という”職業”のお話。
ある電話番号に電話をかけて依頼すると、亡くなった人に会えるというもので指定された場所にいくと亡くなった人が待っている。
生前と同じ姿で。
タイムリミットは朝。
ただし、亡くなった人が別の人に”ツナグ”を依頼されていたらもう会うことはできない。
亡くなった側も、生者に会いたいと言われても、会えるのはたった一度。
2人以上は会えないというシステムになっているとのことだ。
「死」がからむと、「泣かせよう」とする話が多かったりするけれど、この作品は、そういうものとはちょっと違う。
泣かせようとはしていない。
私だったらどうするかな。死んだ側ならだれに来てほしいかな。
子どもには会いたいけど、1回しか使えないその権利は別で使ってほしいと思うかな。
ならばやっぱり夫に会いたいかな。
生きてる側なら誰に会いたいと思うかな。
1回しか使えない、その切符をどう使うかな。
そもそも、死んだ人に会うことがいいことなのかどうなのか。
わからないままの方がいいこともあるんじゃないか。
この1冊で、いろんなことを考えた。
たとえば、何かがうやむやなまま誰かが亡くなってしまったとしてもそれを明らかにすることがいいことなのかどうか、知らないままでいることも幸せなのではないか。
この世とあの世との違いを生きながら見せられたような気がした。
あなただったら、どうします?もし死者に会えるとしたら、誰に会いたいですか?
もし自分があの世にいたら?1回しかないチャンスをどう使いますか?
あの世に行くってことは、いろんな心のこりを引きずっていくんだろうなと思う。
自分自身の人生には満足していたとしてもやはり残された家族や大切な人のことは気にかかるだろうから。
どんなことがあろうとも、今ここに生きていることを大切にしないといけないなと思った。
この作品は映画化もされているのね、松坂桃李さん主演です。
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うん、本の中の主人公よりは年がいってるけどイメージはまずまずあっているのではないかと思います。
(実はまだ見ていないのだ。)
これはぜひTSUTAYAに行って借りてこなければ、と思っております。